馬場崎です。 PCは耐久消費財と考え、自分的に「次の3年の為のプラン」と称して 思い切って Mini-ITX の規格に移ることにしました。 以下はチップセットのグラフィックUniChromePROへの未完の挑戦記録です。 ********** それなりに情報収集と準備を経て、この規格の提唱元であるらしい VIA社の 新しめのM/BにVineLinux4.0を導入。 * VIA VB6002 Mini-ITX (170mmx170mm PentiumM or VIA C7 :Socket 479) * チップセット VIA VN800 North Bridge : VT8237R series South Bridge * グラフィック IGP UniChrome(TM)Pro AGP(MPEG-2 decoding acceleration) ハードウェア認識の途中で何事かと心配になる程待たされる場面があったものの、 幸いにしてインストーラーがvesaグラフィックモードで起動し、X-Windowも 問題無く利用できております。 問題ないとは言え、組んでいる途中が相当にてこずりました。 まず、紙媒体のマニュアルが付属しておらず、VIA社のサイトから入手する必要が あるのですが、日本語のページからのリンクが別のM/Bの物になっていて間違って います。英語サイトから入手すればM/Bのジャンパー設定などを問題無く進め られます。 また、それ以前に付属CD内部にすらマニュアルが無くて、しかもReadmeを読むと EPIA-CNシリーズとか書いてあって不安です。良く似てはいるようですけれど、 North Bridge が違うのが気になります。もちろんLinux関係の情報は皆無ですが、 Windowsの人も設定できなくて困るのでは、と心配になったり。 *(参考)EPIA-CN13000G/ EPIA-CN10000EG (RoHS Compliant) *チップセット VIA CN700 North Bridge : VIA VT8237R series South Bridge *グラフィック IGP UniChrome(TM)Pro AGP(MPEG-2 decoding acceleration) このあとで一つ目の疑問がありまして、インストーラー(アナコンダ)では グラフィックボードの認識は vesa で問題無く進むのですが、 Xconfigurator を 使うとviaドライバを使おうとして失敗したり、カスタムを選ぶと何故か XFree86サーバー(懐かしい)を探しに行ったりして完了できません。 目的は/etc/X11/xorg.conf を書くことだけですから、エディタで確認すれば済む ことではあるのですが、もしかすると私が知らないだけで、もう Xconfigurator って使われていないんでしょうか?……と不安になりました。 コンソールの setupスクリプト からは今も呼び出されていますよね。 さて、前段が長くなりましたが、ようやくUniChromePROへの挑戦です。 これがかなり曲者であるのは以前にも話題になっていましたが、とりあえず vesa ドライバ で使う分には問題が無く、 via ドライバを使っては ならないことを記録したいと思います。 これは via arena から入手したドライバのインストーラーテキストと リリースノートから判断した情報です。 無難に行くなら vesaドライバで我慢するという選択肢もあり得ます。 また、XOrg7.1(X11R7ベース)ではXのviaドライバで動くという情報 (Gentooユーザーの方)もありました。 Linux用のUniChrome ドライバは三箇所で開発されているようです。 ■ The Unichrome Project. …… 唯一エラー無くビルド出来たけれど、 今回のチップに対応していないと警告される http://unichrome.sourceforge.net/ *対応:VT3122:VT7205:VT3108:VT3118:VT3344:VT3157:VT3230:VT3343: (South Bridgeで書かれている) ■ openChrome …… ビルドの途中でエラー。バイナリは未テスト http://www.openchrome.org/ *対応:CLE266, KN400, KM400, K8M800, PM800, CN400, VN800 (North Bridgeで書かれている) ■ VIA Arena …… ダウンロードもビルドもかなりストレス溜りますが 情報源としては有用、だと思います http://www.viaarena.com/ *対応 : M/Bとチップセット(North Bridge)を選ぶ グラフィックボードの設定はかなり経験則なところもあるかと思いますが、 これまで主に経験したのがMatrox社とAMD.ATI社で、VIA社の採用している 旧S3社のチップ経験がステルス24以来なのでよくわからないことだらけです。 頼りの情報源としてのVIA Arena ですが、PDFファイルの入手にもストレスが 溜りますし、簡単に書こうとしているあまり知りたいことが書かれて いなかったりで辛いものがありました。 さてVN800 、 UniChromePRO 用として入手したものは次のファイルです。 ※UniChrome XORG 40071 display driver source code cn_cx700-cn800xorg40071-kernel-src_20061107a.tgz ※UniChrome XORG 40071 source installation guide (※PDFです) via_fc4-5-6_mr2006-2007_rf5_suse10-10.1_ub6.06.1-6.10_cn_cx700-cn800_kersrc_ig_v0.8a.gz インストールテキストやリリースノートにはXOrgのツリーを作って /usr/src/xc以下に置くことと、同梱の makedriverスクリプトを 実行することしか(基本的には)書かれていません。 ……が、これが実に怪奇な動作をする代物でして、比べてはいけませんが AMD.ATI社の配布物と比べると中途半端な感じがします。 (※AMD.ATI社の物は巨大なのでこれも手放しで褒められませんが) 例えば、全ての作業をrootで行わなくてはいけない事が目立つように書かれて いなかったり、/tmp以下とかではなくて /直下に一時作業ディレクトリを作る スクリプトというのはどうなんでしょう。 警告を調べると、このスクリプトは作動中にdos2unixコマンドを呼び出す ようなので、懐かしいと思いつつもとりあえず探してインストールしました。 dos2unix-3.1-24.src.rpm (RPM find より) ……しかし、改行や文字コードなんかはソースを書庫化する段階でやっておけば 不要なのではと疑問が湧きます。 またさらに途中で mpatch というスクリプトに実行属性を与えて呼び出す (さらに内部でvimを使う)のですが、mpatch内部に \x1b が 三箇所あって、 これももっとスマートな方法が無いのかなと疑問が湧きます。 makedriverスクリプトのやっている事は要するにXOrgのツリーのviaの ディレクトリを入れ換えて、カーネルやXOrgのバージョンに合わせて 「あらかじめ用意した」Makefileに入れ換えてmakeを実行する というものらしいのですが……。 エラーが発生してもどこでどうなっているのかさっぱりです。 あまりにも動作が「???」なので、スクリプトを一行ずつ手動で実行しましたが、 結局用意された以外のMakefileには対応できないのか、makeに失敗してしまいます。 (パラメーター変えて全部試すのは辛すぎるので未遂です) 今のところ分かった事はmakeの段階で失敗しているらしい亊ぐらいで、 Makefileを適切にしてやればビルドは通りそうな感触ですが、精神的に 辛くなってきましたので挑戦を断念いたしました。 ********* XOrg用のドライバのビルドの経験が豊富なわけではありませんし、確かに 他のXOrg用のドライバのビルドも簡単ではありませんでしたが、もう少し 情報が欲しいところです。 ともかく、makedriverスクリプトは扱い辛く、かといって手動でビルド する情報が少なく、PreBuildされたXorg6.7、6.8、6.9、7.0、7.1用の 各via_drv.so が付属するわけでもないので、UniChromePROにこれから 挑まれる方は注意されてください。 vesa ドライバを使い、xorg.confのモニター設定を煮詰める方法が現状 ベターな選択では無いかと思います。 長文失礼しました。 -- __/__/__/__/__/__/__/__/__/__/ ZON or MaruArt. >> Babasaki Seiichirou (Jap) E-Mail mindgear@xxxxxxxxxxxx Zaurus zon@xxxxxxxxxxxx __/__/__/__/__/__/__/__/__/__/