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[vine-users:078565] update: wine wine-init wine-devel

  • From: Seiichirou Babasaki <mindgear@xxxxxxxxxxxx>
  • Subject: [vine-users:078565] update: wine wine-init wine-devel
  • Date: Tue, 8 Jul 2008 08:36:20 +0900
馬場崎です。今回はVine-usersとPLUSに投稿しています。

さて。
wine-1.0 公式版をビルドし、VineLinux-4.2(PLUS)向けに put しました。
※VineSeed向けには「公式開発版」に位置づけられたwine-1.1.0を予定しています。

wineプロジェクト初の stable release として、15年の長い道のりを経て登場した
wine-1.0 です。
前回用意しましたrc4の後、rc5(未パッケージ)を経てこの1.0となります。

以下に、今回新たに仕切り直しという事で、VineLinux向けパッケージの特徴とか
留意点を書き並べたいと思います。

1.source は WINE.HQ 本家のもの、パッチは FedoraCore の成果、ビルドオプションは
  Fedoraベースですが、VineLinux環境に合わせて(試行錯誤で)調整。
2.実行属性を持った *.EXE または Winバイナリを Unix 的ルールで動作させるための
  binfmt_misc カーネルオプションを利用できる起動スクリプトのパッケージ、
  wine-init を用意。セキュリティ上の配慮が必要なので、設定にはroot権限が必要。
  (実際にはさらに /etc/fstab の記述も必要)
  セキュリティに不安を感じるならば、インストールしないという選択が出来る。
3. README-FEDORA-PULSEAUDIO.ja と wine-README-Fedora.ja 、 wine_README.ja の
  三つの和訳ファイルを用意。また、gnomeデスクトップの登録ファイルも
  日本語(utf-8)で記述。
  和訳内容については、今後も努力していきたいと思います。
4. wine-init パッケージの為に wine_README_add.ja を用意。
5.システムフォント名のリプレースのための wine用レジストリをいくつか用意。
  wine のインストール後、各ユーザーで一度 winecfg を動かした後に 
  regedit(wineアプリ)から読み込ませせる等して利用して下さい。
  (保管場所は /usr/share/doc/wine-1.0/ に入れています)
  これは、例えばWin32アプリケーションが日本語フォント名の「MS ゴシック」
  とか「JS ゴシック」を要求してきた時に、代わりに「VL ゴシック」を使う
  とか、そうした目的の為のレジストリ値で、~/.wine/user.reg に書き込まれます。
  通常、X上のアプリケーションで利用可能なフォント(firefox や OpenOffice.org等で
  利用できるフォントです)については、Wine上のWinバイナリでも利用できます。
  ただ、「MS ゴシック」のように、通常Linuxで持っていなくて、かつ、Winアプリ
  がそれを指定して表示するような場合は表示異常を起こします。今回は VineLinuxが
  標準でインストールしている「さざなみ」と「VL」へ読み代える reg と、追加で
  インストール可能な「IPA」のものへ読み代える reg を用意しました。
6.wine-devel パッケージにはインクルードやヘッダファイルだけでなく、winegcc 等の
  バイナリとそのマニュアルを含みます。
7.初期設定ツールの winecfg について。~/.wine が無い状態で起動すると初期設定
  ファイルを作成します。これまで バージョン 0.9.xx を使われていた方、また
  出来れば前回までの 1.0.-rc*を利用されていた方も、再作成をお薦めします。
  wine の各ユーザー毎の個別設定は、 ~/.wine/以下の user.reg に書き込まれる
  ものが重要です。設定を移行したい場合は、
  例えば次のような部分を再利用するなら、独立した reg ファイルを作ります。
  [Software\\Wine\\X11 Driver] 1212502487 <-- この数字を取った、独立した
  "Decorated"="N"                              regファイルを作る
  "DXGrab"="Y"
  "Managed"="N"
  ……こうした切り分けたファイルを用意して、新しい wine環境へ wine の regedit
  経由で読み込ませるという方法が使えます。(※ケースバイケースです、念のため)
  ですので、順序としては、
  7-1.元の  ~/.wine 環境をバックアップ or 移動。
  7-2. winecfg を起動し、サウンドの設定だけして終了。
  7-3.新しい ~/.wine 環境 をカスタマイズ、または元の設定を復旧。
  ……という段取りになると思います。
8.DirectX については、X-Window の設定にも影響を受けます。また、Winアプリが
  どういう挙動をするかで変わってくるので、結果については一概に言えません。
9.WINE.HQ には動作した&動作させたいWinアプリケーションがランク付きで登録
  されています。ステータスGOLDだと、かなり動作するようです。(プラチナが最高)

こんな所でしょうか。
一通りできそうな事や既出の問題には対応したつもりです。
時々大ぽかをやらかす僕ですが、よろしくお願いします。

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