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[vine-users:062029] Re: ウムラウト入力について

  • From: 長南洋一 <cyoichi@xxxxxxxxxxxxxxx>
  • Subject: [vine-users:062029] Re: ウムラウト入力について
  • Date: Sat, 30 Aug 2003 11:36:12 +0900 (JST)
長南です。かなりの長文になりました。

堀内さんのメールより [vine-users:062015]
>
> 返事遅くなり、申し訳ありません。
> 仕事に押されていました。

いえいえ、こちらもすぐ返事が書けるとはかぎりませんから。

> /etc/sysconfig/keyboard
> 
> KEYBOARDTYPE="pc"
> KEYTABLE="fi-latin1"

フィンランド語キーボードなのですね(そういう言い方でよいのかな)。

> 実はfontpath#から現在のものに変えたら、ウムラウトキーから
> 直接ウムラウトがうてるようになったのです。

不正確かもしれませんが、だいたい以下のようなことだと思います。
X サーバはアプリケーションが指定するフォントを(LANG="ja_JP.eucJP" なら、
/usr/X11R6/lib/X11/ja/app-defaults などに存在するリソースファイルに
書いてある)、FontPath の順番に捜して、条件に合う最初に見つかった
フォントを使います。TrueType が FontPath のはじめの方にあれば、
当然 TrueType が選択される可能性が高いわけですが、Vine の FTP 版に
入っている TrueType の東風フォントには、A ウムラウト など ISO-8859-1
の固有文字が含まれていないのです。それで、TrueType の順番を下げて
やると、ほかのフォントが当たりになって、うまく表示されるというわけ。

> わたくしがおもに使っているソフト:Mozilla,OOorgではウムラウトが表示される
> のですが、
> sylpeedやktermでは表示されません。

この表示というのは、キー入力をしたときにウムラウト付き文字が表示される
ということですね。文字コード ISO-8859-1 のファイルが正常に表示される
ということではなく。

LANG="ja_JP.eucJP" でもウムラウト文字が入力できるのは、Mozillaなど少数の
ものだけではないでしょうか(アプリケーションの設定が Vine のデフォルトの
ままで)。私はドイツ語で試してみたのですが、たいていのアプリケーションでは、
LANG="de_DE.ISO-8859-1" にしないと(以下、フィンランドの LANG に読み替えて
ください)、ウムラウト文字が入力できないようです。LANG="ja_JP.eucJP" では
ファイルの表示がおかしいことさえあります。また、LANG が何であっても、
kterm ではウムラウト文字の入力ができませんし、vi(Vine の vi は jvim)
ではウムラウトが文字化けします。

# たとえば、emacs を試すのなら、次のようにしてみます。
#
#   $ LANG="de_DE.ISO-8859-1" emacs &
#
# 実を言うと、emacs は LANG="de_DE.ISO-8859-1" にするだけでは不十分で、
# もう一工夫必要です。入力を始める前に、C-x RET k iso-8859-1 と打ち込ま
# なければなりません。あるいは、M-x set-keyboard-coding-system 続いて
# iso-8859-1 と打ち込むか、~/.emacs.el 中の (set-keyboard-coding-system
# 'euc-jp) の 'euc-jp を iso-8859-1 にしておきます。

# それから、xterm での入力ですが、bash は振る舞いがちょっと変です。
# ウムラウト文字を入力しても、すぐには表示されず、もう一字入力した
# ときに、合わせて表示されます。tcsh や zsh では、そんなことがない
# ようです。

それなら、LANG="de_DE.ISO-8859-1" にしておけばよいのかというと、これにも
問題があります。今度はたいていのアプリケーションで(Mozilla でも)日本語の
入力ができなくなってしまうのです。

では、どうしたらよいのか。私には簡単に結論を出すことができません。
日本語、フィンランド語、どちらを主にして使うかで、/etc/sysconfig/i18n
の LANG を決め、あとは――できるものなら――各アプリケーションの設定を
工夫することで対処する。あるいは、必要なときに LANG を切り替えて使う。
それぐらいでしょうか。vi は、ほかの vi クローンを試してみると、よいかも
しれません。

ここから先は、具体的な個々のアプリケーションについて、日本語と
フィンランド語(フランス語、ドイツ語、スペイン語)を使うには
どうすればよいのか、という話になるのだと思います。

いづれにしても、今のところ、日本語とフィンランド語を自由に切り替えて
使えるようにするのは、大仕事のようです。もっと簡単にできてもよさそう
なのに……。SuSe あたりは、どうやっているのでしょうか。

-- 
長南洋一
cyoichi@xxxxxxxxxxxxxxx