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[vine-users:078999] Re: SCIMで 日本語入力ができなくなり ました

  • From: Seiichirou Babasaki <mindgear@xxxxxxxxxxxx>
  • Subject: [vine-users:078999] Re: SCIMで 日本語入力ができなくなり ました
  • Date: Mon, 15 Dec 2008 15:01:20 +0900
馬場崎です。

言葉の意味の話題になってきたようなので、しゃしゃり出てきました。(^o_o^)/
喋りが堅かったり妙に全体的表現なのは職業柄(苦笑)ですのでスルーしてください。


> > > Anthyを構成する、パーツプログラムという
> > > 理解で宜しいでしょうか(=モジュール)。
> > > その、モジュールの設定ファイル名という意
> > > 味ですね?
> > 
> > プログラムと位置づけると違います
> 
> そうすると、何でしょうか?ネットで少し
> 検索したのですが、モジュールの意味がな
> んとなく分かりません。例えば、カーネル
> モジュールでヒットしたのですが

モジュール、パーツ、プラグイン、エクステンション、この辺りは、ニュアンスの違いで
使い分けられている、似たような概念を表す言葉です。

(コンピュータ関係の)日本語では、部品、部位、機能部品、拡張機能(部品)、追加要素、要素、
構成要素、e.t.c....
みたいな意味合いで使われているのを見ます。

意味する所は違うんですけれども、「同じ言葉の使われ方が共通では無い」ために、
はっきりと「こうです」とは言い切れない言葉になっています。

そこで混乱を避けるために、なんとはなしに「firefox の エクステンション」
「PhotoShop の プラグイン」、「Linux Kernelモジュール」、「ブログパーツ」等のように、
プログラムやツール、アプリケーション等の名前を前において話をするのが不文律となっている
ように思います。

プログラムが限定されると、今度は意味する所も具体的になってきます。
例えば、「firefox の プラグイン」という意味では、「FLASHプレイヤー」や「Acrobat Reader」を
指し示しますし、「firefoxのエクステンション」となると「FireBug」や「PDF Download」等を
指すようになります。

この例のように、
「firefox では追加要素の総体を アドオンと表現し、その中に プラグイン と
  エクステンション がある」
……と、いう事がはっきりと言えるようになります。

そして僕の言いたい事は、他のアプリケーションや「前提の違う話」では、
意味する具体的な相手が違ってきますよ、という事です。

<<中略>>
> これを見る限り、モジュールとはプログ
> ラムのパーツという考えで良いのかと思
> うのですが・・・

一応それで間違いではありません。「その範囲内(Kernel)」では実に正しい解釈です。

本題ではありませんが、これについて続けますと……
もう少し正確には Linux Kernel の場合、ローダブルモジュールとか動的モジュールと言う表現も
使われます。「他のアプリ」だと「ダイナミック リンク ライブラリ(dll)」に似ている言葉です。
Kernelの「その機能の部分」を「別ファイル」にして、必要に応じて「動的に利用する」のが
Kernelのモジュールです。
(効果 : 不要なものは読み込まない = メモリや資産の節約)

そして動的があれば静的(スタティック)もあります。
必要な機能を全部Kernel本体に組み込んでビルドすると、別ファイルの無い Kernel ができあがり
ます。この場合、別ファイルとしてのモジュールは「無し」になります。
(効果 : Kernelが単独で完結している = セキュリティ面や動作面で強い)


そして話を戻しまして。
Kernel の時にモジュールという言葉がこれらのように使われていたとして、その使われ方が、そのまま
他のアプリには当てはまるとは限らないという事が、僕の話の主旨です。

特に日本語入力のような、複数のプログラムやデータにまたがって動作する場合は、よくよく整理して
理解する必要がありますし、それでもある程度、その中での言葉の使い方や使われかたを確認しないと、
お互いに話が通じなくなります。

この場合の注目点も、今回のケースで言えば「SCIM や Anthy 辺りではどういう意味合いで使われているか」
になります。ただその意味でも、今回僕が気になった「モジュール」という言葉はとても困った(^^;)言葉
だろうと思います。

見たり聞いたりする範囲の話ですが(と一応断りを置きまして)、X Window にとって SCIM は
「インプットのモジュールの一つ」という表現をされることがありますし、
SCIM-Anthy は「SCIM のための Anthy モジュール」だったり、
「Anthy は日本語変換プログラムの一種」と言われたり、
「Uim-FEP で Anthy をターミナルから使う」
と説明されていたりです。モジュールという言葉が出てこないというわけではありません。
単独で動作する「いわゆる普通のプログラム」とは毛色の違うものだという部分の理解が必要です。


それで最初の引用に戻りますが、
> > > Anthyを構成する、パーツプログラムという
> > > 理解で宜しいでしょうか(=モジュール)。
> > > その、モジュールの設定ファイル名という意
> > > 味ですね?
> > 
> > プログラムと位置づけると違います
               ~~~~~~~~~~
……こうした表現、「そういう位置づけ、意味合いでの話だと違いますよ」になってしまうのです。

引用元[vine-users:078995]のその後の段落のように Anthy の普通のプログラム的な側面をとらえ、
その構成を考えた方が、システム全体の設定、ユーザーディレクトリ内の設定についての話は
他のアプリケーションを引き合いに出せるので、やりやすくなります。
そしてその場合、モジュールという表現はふさわしくないので使わず、他の単独起動の
アプリケーションのように、設定ファイルとか、定義(INI)とか、プロファイル(プロパティ)等々の
表現が「使われることが多い」です。


最後に一般的な話をしますと。
情報分野の言葉そのものは、工業の分野でも使われる一般語が土台になっている場合が多く、短縮語を
のぞけば、指し示している意味は、かっちりと決まっている訳ではありません。
その場合も「○○○ の △△△ という言葉」というテンプレートで、範囲を狭めて理解していくのが
方法一つとして有効だと思いますよ。


おそまつさまでした。

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