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[vine-users:064637] Re: Mozilla の文字がみずらい

  • From: SHIMA <body-rock.shimazu@xxxxxxxxxxx>
  • Subject: [vine-users:064637] Re: Mozilla の文字がみずらい
  • Date: Sun, 22 Feb 2004 03:08:59 +0900
SHIMAと言います。
以下長文で申し訳有りません。

Erio YOSHIDA wrote:
>>* 構成部分の分離
>> 本ソフトウェア製品は 1 つの製品として許諾されています。その構
                                        ↑誰から何を許諾されているのでしょう?
>>成部分を分離して複数のコンピュータで使用することはできません。
>>* 本ハードウェアのみでの使用
>> 本ソフトウェア製品は、1 つの統合された製品として本ハードウェ
>>アと共に許諾されています。本ソフトウェア製品は、本契約書で定め
>>られる本ハードウェアと共にのみ使用することができます。

> 「1つの統合された製品」として動かす場合にのみ、使用が許諾される。つま
> り、Windows が OS として稼働していなければ、Windows同梱のコンテンツが
> 使用できない、との解釈が成立する余地が作られました。

Meは持っていないので本文を確認していませんが、「〜許諾されています。」は受身の文
ですし、上の「許諾」は著作物として正式に許諾されているという意味だと思います。

#「許諾」の前に「使用」が付いていないのがハメのポイント!?

> 使用許諾契約に限らず、契約というものは、契約が締結され効力が発生した後で、
> 契約内容を変更する場合には、双方の同意が必要です。
> 一方側が、この契約で大損する事が判明して、契約内容を変更して欲しい、
> と泣き付いても、他方は契約内容の変更に応じる義務はありません。

> 日本以外、特にMicrosoft社の本拠地である米国なら、取引先が大損して倒産
> するような内容の契約でも、その契約が有効であれば、冷酷に契約の遵守が要
> 求されるのです。それで本当に倒産してしまっても、「そんな契約を結ぶ方が
> バカだ」と冷笑されて終わりです。

一応、著作権ではないですが、知的所有権に普段関わってる者の意見としまして、
仮に裁判になった場合、日本国内で裁かれるならば、適用される法律は日本の法律になり
ます。
また日本の法律は弱者保護の観点で作られていまして、例え「契約」と言えども、法に抵
触する場合は、少なくともその部分は無効になるはずです。

# 最近話題の悪徳金融の「利率」の件が分かりやすい例だと思います。

なお日本の著作権法から、著作者の権利と制限に関して本件に関わりそうな部分を抜粋し
ますと、

# ここから抜粋
第三款 著作権に含まれる権利の種類
(同一性保持権)
第二十条 著作者は、その著作物及びその題号の同一性を保持する権利を有し、その意に
反してこれらの変更、切除その他の改変を受けないものとする。

2 前項の規定は、次の各号のいずれかに該当する改変については、適用しない。
 
  三 特定の電子計算機においては利用し得ないプログラムの著作物を当該電子計算機
       において利用し得るようにするため、又はプログラムの著作物を電子計算機にお
       いてより効果的に利用し得るようにするために必要な改変
  四 前三号に掲げるもののほか、著作物の性質並びにその利用の目的及び態様に照ら
       しやむを得ないと認められる改変

第五款 著作権の制限
(私的使用のための複製)
第三十条 著作権の目的となつている著作物(以下この款において単に「著作物」とい
う。)は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること
(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、次に掲げる場合を除き、その使用す
る者が複製することができる。

(プログラムの著作物の複製物の所有者による複製等)
第四十七条の二 プログラムの著作物の複製物の所有者は、自ら当該著作物を電子計算機
において利用するために必要と認められる限度において、当該著作物の複製又は翻案(こ
れにより創作した二次的著作物の複製を含む。)をすることができる。ただし、当該利用
に係る複製物の使用につき、第百十三条第二項の規定が適用される場合は、この限りでない。
# ここまで

があります。
上の三、四と制限の内容から、Meと言う著作物をユーザーが改変及び個人使用しても、そ
れを禁止する権利をM社は有していないし、契約で禁止しても法律に抵触しますので無効
のはず。
もしかして本件の法的な問題は、コンピュータ上でのフォントがプログラムなのか美術品
なのかが不明確な点では。

# Me自体は間違いなくプログラムだと思いますので、あとフォントデータに手直しさえ入
れてなければ少なくとも美術品の改変には当たらず契約で縛れる内容ではなくなり、法律
上認められた使用者の権利内になると思いますが。

くり返しますが、一般に日本において有効な契約とは、法律に抵触しないもののみです。
また著作権は米国と日本で権利や考え方が異なると聞きます。なので、少なくとも日本国
内での売買でかつ国内での使用の場合は、日本法でのみ考えれば良いはずです。
# 逆にGPL等が現日本著作権法で本当に有効なのかが大きな問題らしい!?

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SHIMA
 body-rock.shimazu@xxxxxxxxx
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